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寝具に不可欠な機能◎保温性 温かさ(温度)を一定に保つ性質。 人は、どんなに暑い日でも寒い日でも、起きているときは無意識に働く自律神経により体温を一定(36.5℃前後※1)に保っています。しかし寝ているときは、この機能が働かないため体温調節は、寝具に委ねられます。 ※1 脇の下の温度。皮膚温度は、33℃前後です。 そのため、常に理想の体温を維持するためには、布団の中の温度を33±1℃に保つ必要があります。この機能に優れている素材ほど、どんなに寒い日でも「深い眠り」に入りやすい理想の体温を維持することができます。 また、頭寒足熱という言葉があるように、頭を冷やし足を温めると「深い眠り」に入りやすいため、枕には、この機能が求められていません。羽毛ではなく、保温性の低い羽根のほうが枕の素材として向いているのは、このためです。 保温性は、特に掛けふとんや敷きふとん、マットレス、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、必須の機能となります。 ◎保湿性 湿度を一定に保つ性質。 この機能が高いほど、肌や髪に優しい反面、高すぎると保温・発散性が乏しくなるため、適度な保湿性が必要となります。 健康的な肌や髪に「うるおい」は欠かせません。 特に睡眠中は、肌の乾燥や髪の傷みが進みやすくなるため、肌や髪に直接触れる寝具ほど、保湿性が求められます。 寝具が保湿性に乏しいと、「うるおい」を与えられないため、肌や髪への負荷が増えてしまいます。この機能は、天然繊維(特に動物繊維)が優れています。 また、化学繊維で、摩擦による静電気が起こりやすいのは、この保湿性に乏しいことが原因のひとつです。 保湿性は、特にカバーやシーツ、枕、掛けふとん、敷きふとん、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、必須の機能となります。 ◎吸湿性 湿気(水蒸気)および水分を吸い取る性質。 人は、体温を下げないと「深い眠り」に入ることができません。そのため、「汗」をかくことによって体温を調節しています。 「汗」には、「液状の汗」と「水蒸気状の汗」の2種類あり、その「汗」を寝具が素早く吸収し、体温をスムーズに調節するためには、布団の中の湿度を常に50±5%に保つ必要があります。 肌に直接触れる寝具ほど、吸湿性が求められ、この機能に乏しいと蒸れてしまいます。この機能は、天然繊維(特に動物繊維)が優れています。 化学繊維は、主に石油などの原料をもとに、化学的に作りだした繊維のため、吸湿性に乏しく、ほとんど汗を吸い取りません。 長時間使用していると、どうしても蒸れを感じてしまうのは、そのためです。 ですので、肌に直接触れる寝具だけは、できるだけ化学繊維ではないものを選びましょう。 吸湿性は、特にカバーやシーツ、枕、掛けふとん、敷きふとん、マットレス、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、必須の機能となります。 ちなみに、化学繊維は、肌に直接触れる寝具には向いていませんが、支持性や通気、発散性を求めるマットレスには向いています。また、睡眠中は注意が必要ですが、活動時は特に問題もないため、衣類や靴などにも向いています。 ◎吸水性(吸汗性) 吸水性は、吸湿性とは異なり、水分のみを吸い取る性質。 人は、体温を下げないと「深い眠り」に入ることができません。そのため、「汗」をかくことによって体温を調節しています。 「汗」には、「液状の汗」と「水蒸気状の汗」の2種類あり、その「汗」を寝具が素早く吸収し、体温をスムーズに調節するためには、布団の中の湿度を常に50%に保つ必要があります。 肌に直接触れる寝具ほど、吸水性が求められ、この機能に乏しいと蒸れてしまいます。この機能は、天然繊維(特に動物繊維)が優れています。 吸水性は、特にカバーやシーツ、枕、掛けふとん、敷きふとん、マットレス、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、重要な機能となります。 ◎発散性(放湿性、透湿性) 内部にたまった湿気(水蒸気)および水分を外部へ放出する性質。 人は、体温を下げないと「深い眠り」に入ることができません。そのため、「汗」をかくことによって体温を調節しています。その「汗」を寝具が素早く発散し、体温をスムーズに調節するためには、布団の中の湿度を常に50%に保つ必要があります。 肌に直接触れる寝具ほど、発散性が求められ、この機能に乏しいと蒸れてしまいます。 発散性は、特にカバーやシーツ、枕、掛けふとん、敷きふとん、マットレス、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、必須の機能となります。 ウレタンなどの素材は、この機能に乏しく蒸れてしまうため、注意が必要です。 ◎通気性 内部と外部の間に空気を通わせる性質。 この機能が高いほど、発散性や熱伝導性が高くなりますが、ありすぎると保温性が乏しくなるため、用途によって必要性が異なります。 夏用の寝具は、この機能が高いほど、さわやかになりますが、逆に冬用の寝具では、より保温性が求められるため、適度な通気性が必要となります。 通気性は、カバーやシーツ、枕、掛けふとん、敷きふとん、マットレス、ベッド、肩、腰、足などを温める補助アイテムにとって、必須の機能となります。 また、汗は最終的に一番下へと溜まり、ダニやカビが発生しやすくなってしまうため、特に床に近いマットレスやベッドほど、重要な機能となります。 ◎熱伝導性 熱を外へ逃がす性質。 この機能が高いほど、涼しくなるため、夏用の寝具には、重要な機能となります。 夏用の寝具には、この機能のほかにも、吸湿、発散、通気性が必須となるため、特に麻やガーゼ素材が向いています。 ◎フィット性 寝具と身体がぴったりと合う性質。 この機能が高いほど、寝具と身体との隙間がなくなり、保温性が高くなります。また、肌触りもよくなります。 この機能に乏しいと、寝返りした時などに寒さを感じてしまいがち。寝返りによって仰向けから横向きへと体勢が変化したときに、寝具と身体との間に隙間が生じてしまい、冷たい風が入り込んでしまうためです。 フィット性は、特に掛けふとんにとって、必須の機能となります。 敷きふとんやマットレスは、この機能が高すぎると「深い眠り」に必要な寝返りを妨げてしまいますので、注意が必要です。 特にウレタンなどの素材は、柔らかくて気持ちよいのですが、フィット性が高すぎるため、敷きふとんやマットレスの素材にはあまり向いていません。 ◎追動性 寝具が身体の動きに合わせて追う性質。 この機能が高いほど、寝具が身体の動きに合わせて隙間を埋めてくれるため、保温性が高くなります。 この機能に乏しいと、寝返りした時などに寒さを感じてしまいがち。寝返りによって仰向けから横向きへと体勢が変化したときに、寝具と身体との間に隙間が生じてしまい、冷たい風が入り込んでしまうためです。 追動性は、特に掛けふとんにとって、必須の機能となります。 ◎軽さ 寝具の軽さ。 軽ければ軽いほど、寝返りがスムーズにできるため、特に掛けふとんには、必須の機能となります。 掛けふとんが重すぎると、「深い眠り」に必要な寝返りを妨げるとともに、身体が圧迫され、血流が鈍くなり、身体への負荷も大きくなるため、心臓の弱い方は、特に注意が必要です。 また、敷きふとんやマットレス、ベッドなどは、軽いほどメンテナンスがしやすい反面、耐久性が低かったり揺れやすい傾向にあるため、適度な重さが必要となります。 ◎支持性 身体を支える性質。 荷重を最も多く受けるのが、背中と腰。肩こりや腰痛を防止するためには、優れた支持性が必要となります。 支持性は、特に敷きふとんやマットレスにとって、必須の機能となります。 ウレタンなどの素材は、体圧分散性には優れていますが、支持性があまりありません。荷重を多く受ける背中と腰だけが落ち込んでしまうため、注意が必要です。 ◎硬さ 寝具の硬さ。 硬さは、特に敷きふとんやマットレスにとって、必須の機能となります。 敷きふとんやマットレスが、柔らかくて身体にフィットしすぎると、圧迫を感じないため、筋肉の緊張緩和や血行促進に欠かせない「寝返り」を妨げてしまい、逆に硬すぎると痛みを感じるため、必要以上に「寝返り」を行い、背骨や腰の筋肉に無理な力がかかってしまい翌朝疲れが残ってしまいます。 ◎体圧分散性 身体にかかる圧力を分散する性質。 荷重を最も多く受けるのが、背中と腰。肩こりや腰痛を防止するためには、優れた体圧分散性が必要となります。 体圧分散性は、特にマットレスにとって、必須の機能となります。 ◎安定性 揺れたり動いたりせず、常に一定の状態を保てる性質。 安定性は、特にマットレスやベッドにとって、必須の機能となります。 マットレスやベッドが揺れやすいと「寝返り」の度に目が覚め、「浅い眠り」が続いてしまい、翌朝疲れが残るということに。 さらに、揺れると不快な音が発生しやすくなります。 |
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