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羽毛ふとんの選び方



みなさんは、

-羽毛ふとんを選ぶとき、何を基準に選んでいますか?-


ダウンの品質が良質だからといって、製品後の羽毛ふとんが良質とは限りません。


なぜなら羽毛ふとんは、

「使用されている素材よりも、出来上がる過程のほうが重要だからです。」


最近では、コスト削減のため化繊を混入したり、ダウンパワーやダウン比率、原産地ばかりが優先され、寝具にとって最も大切なことが忘れられたもの作りがなされています。

例えどんなに温かくても、化学繊維や薬品・樹脂などが使用されていたり、例えどんなに安くても、洗浄が不十分で臭いが漂ってしまったり、薬品の副作用による健康被害があっては意味がありません。

特に品質の高い羽毛ふとんとそうでないものとでは、実に10倍以上もの差があるため、とことん納得できるまで吟味して選びましょう。

ここでは、一般的な羽毛ふとんの選び方ではなく、あくまでも「健康」と「睡眠の質」を第一に考えた 『羽毛ふとんの選び方』 をご案内します。


■羽毛が大きいほど、空気を多く含み、保温力が高まります



ダウンボール


羽毛ふとんの詰め物は、水鳥の羽毛。

主にアヒルかガチョウから採取し、アヒルの羽毛は「ダック」、ガチョウの羽毛は「グース」と表記されます。

羽毛はダウンボールといって、たんぽぽのわた毛のような球状の形をしています。

基本的には、そのダウンボールが大きいほど空気をいっぱい含むため、より軽くより温かくなります。また、汗を吸収する力と量が増し、通気性も良くなるため、乾かす時間が短縮されます。さらに、フィット性が良くなり、すき間ができにくくなるため、保温力も高まります。

飼育期間が短いため、身体が小さく飼育数が圧倒的に多いアヒルに対し、飼育期間が長いため、身体が大きく飼育数が非常に少ないのがガチョウ。身体の大きい方がダウンボールも大きいため、一般的には、ガチョウの羽毛「グース」の方が希少性が高く、高価となります。

しかし、間違ってはいけないのが、必ずしも「ダック」より「グース」の方が優れているとは限らないということ。

飼育農場や選別の善し悪し、洗浄技術のグレードによっては、グース90%よりもダック80%の羽毛ふとんの方が、はるかに高品質な場合も珍しくありません。

また、ダウンボールの品質は、風を利用してどの位置まで飛ぶかで選別します。

ダックの場合、質の良い成熟したダウンボールは80%付近の位置で落ち、グースでは、90%付近の位置で落ちます。どちらも、それを超えると質の悪い未熟なダウンボールやゴミが多くなります。

そのため、機械選別では、ダックが80%、グースにおいては90%が品質としては最高となり、それを超えるダウンボールでは、質が悪いにも関わらず値段が高くなってしまいますので、注意が必要です。

90%を超える最上質のダウンボールは、人の手で選別をしない限り、採取することができません。


■ボリューム(厚み)のあるほうが快適という訳ではない


良質な羽毛になればなるほど、多くの空気を含むことができるため、基本的には、羽毛のグレードが高くなればなるほど側生地のグレードも上がり、より薄く軽く柔らかくなり、より厳しい寒さの中でも、常に理想的な環境(温度が33±1℃、湿度が50±5%)を1枚で維持することができるようになります。(※空気を含んだ状態での厚みは、どのグレードもそれほど変わりません。)

また、軽くなることで、心臓への負荷が減り、寝返りもスムーズに。さらに、柔らかくなることで、ふとんと身体との隙間が減るため、保温力が高まります。

宣伝などの影響で、ボリューム(厚み)のあるほうが温かそうで良いイメージを持たれる方が多いですが、むしろそれは逆で、安価な羽毛では、たくさん詰めないと保温力を保てないため、分厚くするほかないのです。

ちなみに、単純に温かくしたいだけであれば、ビニールで全身を覆えば、冷気が防げとても温かく過ごせます。しかし、通気性がないため蒸れてしまい、まるでサウナの中で寝ているような、心地の悪い温かさになってしまいます。ポリエステルやアクリルなど化学繊維のふとんが温かいのにも関わらず快適ではない理由が、ここにあります。

暑くなり過ぎて、無意識にふとんを蹴飛ばしてしまうのは、そのためです。


■キルティングの構造により、温かさや耐久性が大きく変わります



羽毛ふとんのキルティング構造


②、⑤のキルティング構造は、使用している間に襟元の羽毛が足元へと偏ってしまい肩が冷えてしまいます。また、羽毛が縦への移動しかできないため、身体にふれる中心部分だけが早く傷んでしまいます。

③、⑥の構造は、羽毛が移動できないため、均等に温められる反面、やはり身体にふれる中心部分だけが早く傷んでしまいます。

①、④の構造では、襟元から足元への偏りを防ぐとともに、普段使用しない両端部分から中心部分の交換が可能なため、身体にふれる中心部分だけが早く傷むことなく使用できます。

しかし、④、⑤、⑥の構造だと、縫い目が身体の中心にきてしまい、温かさが半減してしまうため、より温かく、最も耐久性の高い理想のキルティング構造は、①となります。

当店の羽毛ふとんでは、①のキルティング構造を採用していますが、予想以上にコストや手間、そして時間がかかります。

そのため、①を採用しているメーカーは、他にないのではないでしょうか?

常に使用時のことを考え、より温かく、より長く使用していただくためには、こうした見えない努力がなによりも大切なのです。

※ノンキルティング構造は、できるだけ避けましょう。

ノンキルティング構造とは、糸で縫製せずに、アイロンテープや接着剤などで圧着したキルティング構造です。

最近は、あまり見かけませんが、一昔前に流行ったキルティング構造です。

熱などにより接着加工してあるため、耐久性に問題があり、数年で圧着部がはがれてしまい、羽毛が偏ってしまいます。

また、接着剤は水に弱いため、ドライクリーニングしかできず、汗(塩分・アンモニア等)の汚れを落とすことができません。


■羽毛の品質は、飼育農場の善し悪しで決まります



低質な羽毛ふとんの中身当店の羽毛ふとんの中身
↑低質な羽毛ふとんの中身↑当店の羽毛ふとんの中身


現在、国内に水鳥の飼育農場はないため、羽毛は、基本的にすべて輸入です。

よく知られている羽毛の原産地として、ハンガリー、ポーランド、ドイツ、フランス、イギリス、中国、台湾などがあります。

原産地で羽毛の品質が決まると思っている方がとても多いですが、羽毛の原産地については、あまり品質には関係なく、あくまでも目安にすぎません。

なぜなら、羽毛の品質は、「原産地」ではなく、「飼育農場」で決まるからです。

羽毛ふとんの使用感は、ダウン率ではなくダウンの成熟度によって変わります。

ダウンの成熟度は、ひとつひとつのダウンボールの大きさで決まります。


未熟ダウン成熟ダウン
↑未熟ダウン↑成熟ダウン


成熟したダウンは、ダウン毛の羽枝の本数が多く、大きなダウンボールとなり高い保温性があります。

一方、未成熟の小さなダウンであっても、たくさん入っていればダウン率は上がりますが、このような未成熟なダウンは保温力が低いため温かくなく、寝心地もよくありません。

品質の高い羽毛を採取するには、長い期間(水鳥が大人になるまで)大切に飼育する必要があります。それは、大人の水鳥の羽毛(成熟ダウン)でなければ、羽毛本来の優れた機能を発揮できないからです。

しかし、低質な羽毛ふとんに使用されているのは、ほとんどが子供の水鳥の羽毛(未熟ダウン)です。それは、食用を目的として飼育されている水鳥を使用しているから。水鳥のお肉は、子供の頃のほうが柔らかくて美味しいのです。

つまり、お肉が目的なので本来捨てるはずの羽毛を使用しているということ。未熟ダウンの羽毛であれば、原産地がどこであろうと、コストをかけずに入手できるのです。

そのため、ヨーロッパ産だからといって、品質が良いとは限りません。重要なのは、羽毛の原産地ではなく、水鳥の品質管理を徹底している飼育農場なのです。

品質管理を徹底している農場にて飼育されている水鳥から採取した成熟ダウンは、羽枝・小羽枝が発達しているので、温められた空気をたっぷりと含み、吸湿・発散性に抜群に優れているのです。

また、ゴミや臭いをどの程度取り除けるかで、品質が大きく変わってきます。

欧米では、湿度が低くそれほど神経質でもないため、臭いを取り除いていないものが大半です。しかし日本では、湿度がとても高く臭いにも敏感なので、海外製の独特の臭いは、まず耐えられません。

特にアレルギー体質の方には注意が必要です。中国製のものは、技術不足や製造コストを大幅に抑えるため、ゴミや臭いがきちんと取り除かれていないものがほとんどです。

ですので、できるだけ 「日本製」 のものを選びましょう。


■健康を意識するなら、有害化学物質を必ずチェックしよう


羽毛は天然素材なので、側生地も綿100%が理想なのですが、実はかなりの手間とコストがかかってしまうため、ほとんどの羽毛ふとんの側生地には樹脂加工、もしくは化学繊維が使われています。

そのため、陰干しやドライクリーニングが指定されています。


樹脂加工が施された生地 当店の羽毛製品の生地
樹脂加工が施された生地

汗を吸収できずに蒸れてしまいます。
 自然そのままの生地

瞬時に汗を吸収するため蒸れません。


また、ウォッシャブル加工や防カビ、防ダニ、殺菌、除臭加工など、薬品を使って加工が施された羽毛ふとんは、ほんとうに健康への害や副作用はないのでしょうか?

赤ちゃんがなめてしまっても大丈夫でしょうか?

繊維製品に対する最新の製造技術と仕上げ加工では、付加価値や機能性を求め、様々な薬品が使用されています。

しかし、これらの中には人体に悪影響を及ぼす可能性のある薬品もあります。

MADE IN JAPANだから、安心・安全。

そう考えている人は少なくないはずです。

薬品加工や樹脂加工、ポリエステル生地などを使用した羽毛ふとんが、ネットなどでよく売られていますが、「寝汗」をかくなど睡眠中の生理的変化に対応できず、どうしても蒸れてしまい、肌への負荷は避けられません。

起きているときは、感触や肌触りがとても気持ち良いのが化学繊維の特徴ですが、眠りにつき身体が無防備なときこそが、寝具の活躍するとき。

ですので、肌がじかに触れる側生地だけは、化学繊維ではないものを選びましょう。


やはり羽毛ふとんは、薬品・樹脂を使用していない『天然素材』が一番です。

※ただし、間違ってはいけないのが「化学繊維」を使用してはいけないとか、そういうことではなく、あくまでも健康に気を使う方には「天然繊維」のほうが向いていて、手軽さや利便性、特に安さを求める方には「化学繊維」のほうが向いています。


健康を意識している方は、少なくとも下記の「5つの条件」をクリアしていないものは、購入をひかえましょう。


■羽毛ふとんの選び方 - 5つの条件 -


・条件1 不純物や臭いがきちんと取り除かれていること。

羽毛には、鳥のフケや油脂分など様々な不純物が含まれています。

コスト削減によって洗浄工程が省かれてしまうと、このような不純物を取り除けずに不快な臭いが漂ってしまい、なかなか眠りにつくことができません。

また、空気と一緒に漏れ出た不純物を吸い込むことで、アレルギー反応など健康に害を及ぼしてしまうこともあります。

そのため、例え有名な産地や、高品質な羽毛を使用していたとしても、未熟ダウンや不純物・臭いがきちんと取り除かれていない羽毛ふとんには、注意が必要です。

・条件2 薬品や樹脂加工を使用していないこと。

ウォッシャブル加工や防水加工、抗菌加工など、薬品や樹脂を使用していると、ほとんど汗を吸い取ることができないため、蒸れてしまったり、薬品の副作用など、特になんでも口に入れてしまいがちな赤ちゃんには、注意が必要です。

・条件3 側生地にポリエステルなどの化学繊維が混入していないこと。

化学繊維は、主に石油などの原料をもとに、化学的に作りだした繊維のため、自然の生き物である人との相性が悪く、肌や髪に負荷をかけてしまいがち。

また、寝具に不可欠な吸湿性に乏しく、ほとんど汗を吸い取りません。

そのため、いくら羽毛が機能性に優れていたとしても、化学繊維を使用した生地で覆ってしまったら、意味がありません。

それは、生地が壁となり羽毛の機能を阻害してしまうため。

いくら羽毛が良質でも生地がそれに見合うものでないと、羽毛本来の性能をフルに発揮できないため、必ず側生地は綿100%のものを選びましょう。

・条件4 水洗いができること。

羽毛は、水鳥の毛です。水鳥は、水の中で生活しています。水洗いができない訳がありません。

水に弱い薬品を使用していると、溶けたり劣化して悪臭が発生してしまうため、水洗いができないのです。無理矢理に洗うと薬品がとれてしまい、悪臭が漂うことになりかねません。だからといって、クリーニングに出しても薬品が邪魔して中身の羽毛は洗浄できず、側がキレイになっているだけなのです。

・条件5 日に干せること。

羽毛は、水鳥の毛です。水鳥は、日光を浴びながら生活しています。日干しができない訳がありません。

紫外線に弱い薬品を使用していると、溶けたり劣化して悪臭が発生してしまうため、日干しができないのです。


「購入したときの満足」よりも「使用した後の喜び」を。


羽毛ふとんの選び方


見た目や価格と品質は、比例しません。見た目にだけコストをかけているかもしれないからです。毎日平均8時間も使用するため、寝具の良し悪しにより健康が大きく左右されるということは、いうまでもありません。

ですので、見た目や価格ではなく品質を重視してご購入することをおすすめします。品質が良いものは健康に良いのはもちろん、長持ちしますので、耐用年数を考慮すると、経済的にも優しいからです。


ただひたすら健康を追求し生まれた羽毛ふとん



こだわりの羽毛ふとん


当店こだわりの羽毛ふとんは、すべて天然素材を使用することにとことんこだわり、健康に悪影響を及ぼす可能性のあるものは、一切使用しておりません。だから、身体にも環境にも優しく、驚くほど温かく、それでいて蒸れないのです。


理想の羽毛ふとんの選び方は、ここまで